【良作怪獣ホラーアニメ】WXIII 機動警察パトレイバー【感想】

『WXIII 機動警察パトレイバー』は2001年に公開された機動警察パトレイバーシリーズの劇場公開作品の第三作目にあたります!

シリーズ本編とは直接かかわりがない外伝的な作品なので「パトレイバー知らない…」という方にもおすすめですよ。

個人的な評価としては…

『WXIII 機動警察パトレイバー』の評価
ストーリー
(3.5)
演出(世界観、音楽、カメラワーク等)
(4.0)
キャラクター
(3.0)
総合評価
(3.5)

といった結果となりました。『エイリアン』や『シンゴジラ』を思わせる未知の生物の不気味な描写がグッときました!

『WXIII 機動警察パトレイバー』あらすじ

東京湾で所属不明の輸送機が海に“何か”をまき散らしながら墜落するという事故が起きる。

まもなくして東京湾の各地でレイバー(パトレイバーシリーズに登場する人が操る巨大ロボット。主に土木などの作業用に活用されている)が破壊される事件が発生し、ついには人間の惨殺死体まで発見される。

事件の捜査に当たっていた警察庁城南署の刑事、秦(はた)と久住(くずみ)は水上コンテナ備蓄基地で警報が鳴り、施設内にいた職員と連絡がとれなくなったことを聞きつけ現場に急行する。

施設へと駆け付けた二人を待ちうけていたのは廃棄物13号(WXIII)という名の爬虫類とも水生生物ともとれない不気味な巨大生物であった…。

『WXIII 機動警察パトレイバー』のスタッフ、キャスト

監督 遠藤卓司
脚本 とり・みき
音楽 川井憲次
原作 ヘッドギア
キャスト 綿引勝彦
     平田広明
     田中敦子

『WXIII 機動警察パトレイバー』感想

日常シーンが細かく、非日常シーンと良いコントラストになっている

本作は謎の巨大生物が現れるわ、巨大ロボットが登場するわとSF要素満載なのですが雰囲気的には“渋い刑事ドラマ”といった印象でした。

細かく丁寧に描かれた日常シーンが多くあって、登場人物たちの濃厚な生活感が漂っていたからでしょう。

主人公の一人、秦が社会人野球をを楽しんでいたり、もう一人の主人公である久住がとっ散らかった自宅でクラシックを嗜んでいたりと本編では関係のないような日常シーンがふんだんに盛り込まれていました。

一方、非日常的なシーンでは謎の生物によって引き起こされる陰惨な事件や、閉鎖的な研究所で謎の生物の幼生体が培養されている場面があったりと、主人公たちの日常の陰に潜む不気味な非日常が上手く描写されています。

細かな日常シーンと、暗く重たい非日常シーンのコントラストが作品に厚みを与えています。

正体不明生物“廃棄物13号”の不気味な表現が秀逸!

本作のホラー要素である謎の巨大生物“廃棄物13号”ですが本編の前半部分ではその全貌を明かしてくれません。部分的に姿が見えるのは気味の悪い“エラ”のみ…。

こういった風に正体不明生物の姿を一部分のみ切り取って観客に見せ、“不安”、“恐怖心”をあおるのはモンスター映画の常套手段ですよね!

尻尾しか見せないシンゴジラの第一形態もこの手法がとられていました!

『WXIII 機動警察パトレイバー』では海底探査用の無人潜水レイバーが捉えた画像でのみ上記の“エラ”の部分が確認できます…。画像の画質が荒くはっきりしないところなんかも真に迫っててメッチャ気味が悪い…。

また、主人公らが“廃棄物13号”に追われ逃げ惑うシーンでは場所が閉鎖的な施設ということで、画面全体が暗く、照明が不安を煽るような赤い光でぼんやりとしか照らし出されておらず、かなりSFホラーっぽさを感じられました…。さながら『エイリアン』でノストロモ号の船内を怯えながら逃げ惑うリプリーのよう…。

捜査会議シーンでの『シンゴジラ』的な面白さ

主人公ら二人は命からがら“廃棄物13号”から逃げ延びた後、上司にこの事実を公表し都民への注意喚起を求めるのですが「巨大生物が襲ってきた」という突拍子もない内容を証言者が刑事二人だけという状況では信じられない、と要求は突っぱねられてしまいます。

ですが、相次ぐ怪物による事件を無視できなくなった警視庁は捜査会議を開き怪物が残した肉片を元にどういった性質を持った生き物なのか、さらには主人公らの証言でどんな姿をしているのかなどを警察内部の人間に公表していきます。

この一連の流れは、シンゴジラでも観られますよね。

巨大生物の出現を受け入れない政治家たち…、しかし“巨大生物”という存在が現実味を帯びてくると急に押し寄せてくる“不安”と“焦り”…。

“巨大生物”という突拍子もない存在がだんだんと存在感を増してくる独特の緊張感を『WXIII 機動警察パトレイバー』でも感じることが出来ました!

イングラムが“ウルトラマン”的なカッコ良さ!

『機動警察パトレイバー』はレイバーを使った犯罪を取り締まる“警視庁特車二課第二小隊”に所属するキャラクター達を主人公とした作品です。

しかし、『WXIII 機動警察パトレイバー』では“警視庁特車二課第二小隊”は完全な脇役で物語の本筋には絡んできません。

それでは全く見せ場がないかというと…、ちゃんと見せ場はあります!特車二課は警察用レイバー“イングラム”で“廃棄物13号”を迎え撃ちます!イングラムの登場シーンが、まぁなんとも神々しくてかっこいい!

まるで光とともに現れ、怪獣の前に立ちふさがるウルトラマンのよう…。戦闘自体はもっさりした印象でしたが登場シーンだけで私は大満足でした 笑。

『WXIII 機動警察パトレイバー』はこんな気分の時に見ろッ!

ハヤト隊員

隊長ッ!
『WXIII 機動警察パトレイバー』はどんな気分の時に見ればよいのでしょうッ!
重厚なSFホラー作品が観たい時がオススメだな…。実写的な細かな描写が盛り込まれていてかなり奥行きがある作品だ…。

シネマ隊長

『WXIII 機動警察パトレイバー』を見る上での課題映画

『WXIII 機動警察パトレイバー』と合わせてみると面白いオススメ映画をアンネ隊員に紹介してもらいます!

アンネ隊員

『WXIII 機動警察パトレイバー』は韓国映画の『グエムル-漢江の怪物-』との類似点が良く指摘されてるみたい。
ファンの間でグエムルの盗作が疑われたけど両制作サイドはこの件を否定しているそうよ。
見比べてみると面白いかも!

『WXIII 機動警察パトレイバー』はどこの動画配信サービスで見られる?

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