シン・ウルトラマン 登場怪獣&宇宙人一覧! ネタバレありの徹底解説!!

シン・ウルトラマン 禍威獣&外星人 解説&紹介

2022年5月13日に公開され話題を集めた『シン・ウルトラマン』。

本記事ではネタバレありで、知っておくと本編をより一層楽しめる豆知識やトリビア、そして裏設定を交えて『シン・ウルトラマン』の登場怪獣と宇宙人について徹底解説していきます!

『シン・ウルトラマン』における怪獣&宇宙人の設定

まず『シン・ウルトラマン』本編における怪獣は「禍威獣(かいじゅう)」、宇宙人は「外星人(がいせいじん)」という呼称で呼ばれています。

禍威獣(かいじゅう)は外星人(がいせいじん)の生物兵器

『シン・ウルトラマン』の世界では、太古に星同士の大規模な戦争(星間戦争)が起きています。

その結果、銀河に存在する知的生命体のほとんどが死に絶えてしまい絶滅しかけてしまいます。

この事態を受け生存した知的生命体たちは“星間条約”を締結。

条約の内容は、「戦争で使用出来る兵器は進化・運用が難しい生物兵器のみに限定される」というもの。

この条約の影響で各星々はこぞって生物兵器の開発にのりだし多くの禍威獣(かいじゅう)たちが生み出されることとなりました。

地球で目覚めた禍威獣(かいじゅう)たちは、おそらく人類が誕生する以前に外星人(がいせいじん)たちが遺していったものだと考えられます。

禍威獣(かいじゅう)たちは何故目覚めた?

本編の冒頭で次々と禍威獣(かいじゅう)たちが目覚め、自衛隊や禍特隊(かとくたい)の活躍により駆除されたことが語られていましたよね。

一体なぜ禍威獣(かいじゅう)たちは目覚めたのでしょうか?予想できる原因は主に二つです。

禍威獣(かいじゅう)

●メフィラスによる策略

●人類による環境破壊

メフィラスと神永新二(ウルトラマン)が居酒屋で話し合うシーンで、メフィラスがウルトラマンをおびき出す餌として禍威獣(かいじゅう)たちを利用した旨が語られています。

そしてメフィラスは「禍威獣(かいじゅう)が目覚めたのは人類による環境破壊が原因」と話しています。

ただし、ウルトラマンはメフィラスが策略を巡らせて禍威獣(かいじゅう)を目覚めさせたと疑っているので真相はハッキリとは分かっていません。

冒頭に登場した禍威獣(かいじゅう)たち

ウルトラマンが地球に降り立つ前に日本を襲った禍威獣(かいじゅう)たちを解説・紹介していきます。

巨大不明生物 ゴメス

ゴメスは一番初めに日本を襲った巨大不明生物です。

ゴメスが登場したころは禍威獣(かいじゅう)という呼称はなく、超自然発生巨大不明生物と呼ばれています。

想像を超える甚大な被害を及ぼしますが、自衛隊の総力戦によって駆除されてしまいます。

ゴメスの元ネタ

ゴメスの元ネタは『ウルトラQ』の第1話『ゴメスを倒せ!』に登場する古代怪獣 ゴメスです。

ゴメスは地底から出現した巨大な原子哺乳類です。哺乳類でありながら変温動物であるという特異な生態を持っていて、地中の温度の上昇で眠りから目覚めてしまいます。

発達した前腕で地中を掘り進み、背中にある分厚い甲羅で攻撃から身を守ります。また、牙と爪が非常に鋭くかなり獰猛な性格をしていて破壊の限りを尽くしました。

時を同じくして目覚めた原始怪鳥リトラと交戦し始めのうちは善戦するものの、最終的にはリトラが放つ強力な酸によって絶命しました。

ゴメスがシン・ゴジラのデザインと似ているのはなぜ?

『シン・ウルトラマン』に登場したゴメスはかなりシン・ゴジラと似たデザインをしていました。

これは『ウルトラQ』で使用されたゴメスの着ぐるみが、『モスラ対ゴジラ』で使用されたゴジラの着ぐるみを改造して作られたという事実を元にしているためです。

そのため、『シン・ウルトラマン』内のゴメスも、シン・ゴジラのデザインを元に造形されているのです。

巨大不明生物第2号 マンモスフラワー

マンモスフラワーはゴメスに続いて出現した植物型の巨大不明生物です。

官庁、民間企業、大学などの教育機関の連携によって炭酸ガスと火が弱点であることが明らかとなり駆除されました。

マンモスフラワーの元ネタ

マンモスフラワーの元ネタは『ウルトラQ』の第4話「マンモスフラワー」に登場する巨大植物 ジュランです。

古代で絶滅していたはずが、自然界の乱れにより復活。

根をはる力は地震を起こすほど強力で、おまけに人間の生き血をすすってグングンと成長していきます。

自衛隊の攻撃にも毒の花粉で応戦するなど、凄まじい成長スピードと高い攻撃性で東京を混乱に陥れました。

最終的に源田博士が開発した炭酸ガス固定剤と、自衛隊の火炎放射によって根が焼き払われ駆除されてしまいました。

ちなみに劇中ではジュランではなくマンモスフラワーと呼称されています。

巨大不明生物第3号 ぺギラ

ぺギラは3番目に現れた巨大不明生物で、強力な冷凍光線により東京を氷河期に陥れてしまいます。

都市機能は麻痺してしまい未曾有の事態となりますが、とある女性生物学者が発見した弱点によって駆除されました。

ぺギラの元ネタ

ぺギラの元ネタは『ウルトラQ』の第5話「ぺギラが来た!」、第14話「東京氷河期」に登場する冷凍怪獣 ぺギラです。

南極に生息する怪獣で、核実験の影響によりペンギンが突然変異して生まれたといわれています。

黒煙を吐き出しながら上昇・飛行を行い、マイナス130度にも達する反重力光線を口から放射します。

飛行速度はマッハ80にも達し、あらゆる現代兵器が通用しないなど『ウルトラQ』登場怪獣の中でも最強とされることの多い人気怪獣です。

弱点は南極にのみ生息する苔から採取される物質・ぺギミンHで、第5話、第14話ともにこの物質によって撃退されています。

ちなみに、駆除されてはおらずあくまでいずれの場合も逃げ去っています

敵性大型生物第4号 飛翔禍威獣(かいじゅう)ラルゲユウス

ラルゲユウスは4番目に日本に現れた巨大不明生物です。

ちなみに3番目に現れたぺギラ撃退の後に、巨大不明生物は敵性大型生物「禍威獣(かいじゅう)」という呼称で表されるようになっています。

ラルゲユウスは巨大な鳥のような外見をしていて、高い飛翔能力を有しています。

ステルス機能のようなものも持っていて、自衛隊の追尾を振り切って消息不明という扱いになっています。

ラルゲユウスの元ネタ

ラルゲユウスの元ネタは『ウルトラQ』の第12話「鳥を見た」に登場する古代怪鳥 ラルゲユウスです。

第三氷河期以前に絶滅していた鳥で、10世紀半ばのインド西部で大量発生し現代日本に当時の船舶とともにタイムスリップしてやってきます。

普段は白い文鳥に似た見た目で鳥かごに収まる程度のサイズですが、宇宙線の影響で空腹時には巨大化してしまうという特異な生態を持っています。

風速40mを超える突風を巻き起こし、マッハ1.5の速度で500時間飛び続けることが可能で、底なしの食欲で一度に5tもの肉を平らげてしまいます。

しかし、根っから獰猛というわけではなく、三郎という少年に懐いて“クロウ”という愛称で親しまれるなど友好的な側面も持ち合わせている怪獣です。

『ウルトラQ』本編でも駆除されることはなく、海の彼方へと飛び去って行き消息不明となりました。

敵性大型生物第5号 溶解禍威獣(かいじゅう)カイゲル

カイゲルは5番目に現れた禍威獣(かいじゅう)です。

ちなみに、ラルゲユウス出現後に日本政府は防災庁を設立。そして防災庁内の5人の専門家からなる禍威獣(かいじゅう)対策専門の組織・「禍特隊(カトクタイ)」を設置しています。

そのためカイゲルは、禍特隊(カトクタイ)が初めて相対する禍威獣(かいじゅう)となりました。

禍特隊(カトクタイ)は初出動ながらも自衛隊と上手く連携し、カイゲルの駆除に成功。これによって世間からの高い評価を得ています。

カイゲルの元ネタ

カイゲルの元ネタは『ウルトラQ』の第24話「ゴーガの像」に登場する貝獣 ゴーガです。

約6000年前にアランカ帝国を滅ぼしたと言い伝えられている伝説の怪獣で、“ゴーガの像”の中に封印されていました。

しかし、レントゲン撮影で放射能を浴びたことにより復活。そして巨大化し、目から発する溶解液で人間を殺し、東京の街を破壊しつくしました。

頑強な殻は水爆でも破壊が不可能で、殻についたドリルで自由に地中を移動することが可能です。

「ゴーガは火とともに没す」という伝説からヒントを得た人類が、ゴーガの目を水酸化ナトリウム入りの火薬でつぶしてしまい自衛隊による火炎放射によって駆除されました。

ゴーガじゃなくなぜカイゲルなの?

『シン・ウルトラマン』本編では『ウルトラQ』で称されていたゴーガという名前ではなく、カイゲルという名前が採用されています。

元々『ウルトラQ』の没になってしまった脚本の中で、ゴーガはカイゲルという名前で記されていました。

『シン・ウルトラマン』ではこういった特撮ファンが気付くと嬉しくなるような小ネタが散りばめられているので、ちょっとした遊び心でカイゲルという名前が採用されたのでしょう。

敵性大型生物第6号 放射性物質捕食禍威獣(かいじゅう)パゴス

パゴスは6番目に現れた禍威獣(かいじゅう)です。

当初、地中から現れ、そして地中に潜ってしまう生態から地底禍威獣(かいじゅう)と称されていましたが、放射性物質を捕食することが確認され放射性物質捕食禍威獣(かいじゅう)に改められました。

口から放射性物質をまとった光線を吐き出し攻撃を行うも、禍特隊(カトクタイ)と自衛隊の連携によって駆除されました。

後に登場するネロンガ、そしてガボラに酷似した外見を持っています。

パゴスの元ネタ

パゴスの元ネタは『ウルトラQ』の第18話「虹の卵」に登場する地底怪獣 パゴスです。

パゴスは放射性物質を捕食する地底に潜む怪獣で、基本的には四足歩行を行いますが興奮状態に陥ると後ろ足で立ち上がり暴れまわります。

口から放つ金色の分子破壊光線が主戦力です。

北京のウラン貯蔵施設を襲い、日本に輸送されていた濃縮ウランを狙って上陸。輸送トラックから落ちたウランカプセルを拾った少女を執拗に襲い続けます。

そして、原子力発電所を目当てに新産業都市で暴れているところを、自衛隊が放ったネオニュートロンミサイルを受け身体が崩壊してしまい絶命しました。

ウルトラマンと戦った禍威獣(かいじゅう)たち

ここからはウルトラマンと直接対決した禍威獣(かいじゅう)たちを解説・紹介していきます。

禍威獣(かいじゅう)第7号 ネロンガ

ネロンガは7番目に現れた禍威獣(かいじゅう)です。

全身が透明になるのが特徴で電気を角から吸収すると姿を現すという生態を持っています。

まずは、首都圏郊外に出現。その後、善和変電所で電気を吸収し姿を現しますがカトクタイの策略で送電を断たれ姿を消してしまいます。

次なる電力供給場所を求めて移動している最中、陸上自衛隊によって頭部への集中攻撃を受けて可視化。

この攻撃によって怒ったネロンガは角から発射する電撃によって、あたり一帯を無差別に破壊し始めます。

周辺がパニックに陥る中、空から謎の飛翔体が降着。舞い上がる土煙の中から姿を現したのは銀色の巨人でした…。

ネロンガは巨人に電撃を浴びせるも、巨人はその攻撃を物ともしません。

巨人は高エネルギーを体内に集中させ始めます。

ネロンガは危機を察知し透明になり逃げようとしますが、巨人がクロスした腕から放った光線により粉砕されてしまいました…。

ネロンガの元ネタ

ネロンガの元ネタは『ウルトラマン』の第3話「科特隊出撃せよ」に登場する透明怪獣 ネロンガです。

伊豆に出現した怪獣で透明になれる能力を有しており、鼻先の角から電気を吸収している時に姿を現します。

またウルトラマンと交戦した際も姿を現しているので、臨戦態勢になると姿を現す性質も持ち合わせているのかもしれません。

後頭部の触覚と、鼻先の巨大な角を合わせて起きたスパークから放たれる電撃が必殺技です。

しかし、ウルトラマンには通用せずスペシウム光線を浴びてあえなく撃退されてしまいます。

禍威獣(かいじゅう)第8号 ガボラ

ガボラは8番目に現れた禍威獣(かいじゅう)です。

放射性物質をまき散らしながら、地下核廃棄貯蔵施設を目指しているところを発見されます。

禍威獣(かいじゅう)第6号 パゴスと容姿が酷似しており、さらには“放射性物質をまとっている”という点も共通しています。

地底を移動中に、米軍の爆撃機から放たれた地中貫通型爆弾を受けますが前進を止めることはありませんでした。

ガボラは核廃棄施設の目前まで迫りますが、その直前にウルトラマンが出現

蹴り上げられたガボラは施設の向かいにある山に激突します。

その後、襟状の殻を閉じドリルのように回転させてウルトラマンを苦戦させます。ウルトラマンは核廃棄施設が近くにあることを考慮して光線を放てません。

ウルトラマンは力技でガボラの追撃を受け止めきり投げ技を決めます。

追い詰められたガボラは殻を開放し、放射性の光線を発射

ウルトラマンはこれを正面から受け、周囲の放射能もろとも除去してしまいます。

ウルトラマンに間近まで迫られたガボラは、頭部に正拳突きを食らい絶命。死骸はウルトラマンによって空の遥か彼方に持ち去られてしまいました。

ガボラの元ネタ

ガボラの元ネタは『ウルトラマン』の第9話「電光石火作戦」に登場するウラン怪獣 ガボラです。

ガボラは地底に潜む怪獣で、弱点となる頭部を守るための開閉可能な襟巻き状の殻が特徴です。

また炎も苦手としていて、自衛隊の火炎放射攻撃によって退散する場面も見受けられます。

ウランを常食しており、食事中にはあたり一面に放射線を放出するという厄介な生態を持っており科学特捜隊を苦戦させます。

ウラン採掘場を目指しますが自衛隊・科特隊によって阻止され、ウランカプセルを積んだヘリで進行方向を誘導されます。

ガボラはヘリが故障した際にこれを撃墜。登場していたハヤタはウルトラマンに変身します。

その後、ガボラは襟を引きちぎられ何度も投げ技を食らい絶命してしまいます。

パゴス・ネロンガ・ガボラはなぜ似ている?

『シン・ウルトラマン』劇中内でのセリフでも言及されていましたが、パゴス・ネロンガ・ガボラは外見や性質が酷似しています。

パゴス・ネロンガ・ガボラの共通点
●地底怪獣
●エネルギー源を常食としている(パゴス・ガボラは放射性物質、ネロンガは電気)
●胴体や頭部などが酷似している(胴体は三体共通。パゴス・ガボラは頭部が酷似)

この理由は、これら三体の禍威獣(かいじゅう)は共通のパーツを持っている生物兵器であるからです。

本記事の【禍威獣(かいじゅう)は外星人(がいせいじん)の生物兵器】で触れた通り、禍威獣(かいじゅう)たちは生物兵器です。

庵野秀明氏のアイデアメモによるそれぞれの生物兵器としての呼称は以下↓の通りです。

パゴス・ネロンガ・ガボラの生物兵器としての名称
パゴス:戦術核生物
ネロンガ:戦略産業機能破壊生物
ガボラ:戦略熱核生物

個人的な考察ですが、この三体で最初に製造されたのがパゴスだと考えます。メモによるとパゴスは、高い地底移動能力、放射能を捕食・感知出来る能力を有しているとあります。

一方、ネロンガは地中を掘り進むのに適した胴体、そして電気を捕食・感知する機能を有していることがメモに記されています。

劇中冒頭に登場したパゴスの胴体はネロンガと酷似しています。

パゴスの高い地底移動能力を持つ胴体、そして放射能を捕食・感知出来る能力を改造し電気を捕食・感知出来るよう改造された存在がネロンガなのではないでしょうか?

また、ガボラについては庵野氏のメモによると「パゴスの進化形」とあります。

地底をより移動しやすいように追加装備されたドリル状の殻、背から尻尾にかけて連なるアルキメデススクリュー(※1)状の殻など旧タイプであるパゴスを強化したであろう装備が見て取れます。

※1
アルキメデススクリューは砕氷船などに搭載されている螺旋状の大きな部位で、流氷や氷上、雪上、柔泥地でも氷や岩を砕き推進することが出来る。

アイデアメモにもはっきっりとガボラはパゴスよりも優れた放射能感知・捕食能力を持っていることが記されています。

よって製造・改造・進化の流れとしては・・・、

  1. パゴス製造
  2. パゴスが改造され放射能を感知し捕食する機能電気を感知し捕食する機能に換えられてネロンガが製造される
  3. パゴスの地底移動能力・熱核攻撃機能をより強化したガボラも製造される

という系譜となっていると考えられます。

ただいま更新中!!しばしお待ちを!!