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『ランゴリアーズ』はスティーブン・キングの同名中編小説を原作として制作されたTV放送用のSFホラー映画です!
個人的な評価としては…
※本記事は『ランゴリアーズ』を観賞された方向けの記事となっておりますのでネタバレ注意です!
目次
『ランゴリアーズ』あらすじ
ロサンゼルスからボストン行きの旅客機で異変は起こった。眠っていた乗客10人以外の人間が機内から忽然と姿を消してしまったのである。
パイロットすら消えてしまい地上の管制塔とも全く連絡がつかない中、偶然搭乗していたパイロット“ブライアン・エングル”の操縦で一同は管制塔からの支持なしでも着陸可能な空港へと降り立つ。
しかし、地上にも人影は見当たらない。それどころか“臭い”が一切感じられず、“音”が響かない…。異様な状況に戸惑う一同。そんな中生存した搭乗者の一人クレイグ・トゥーミーは怯えていた…「ランゴリアーズが来る」と…。
『ランゴリアーズ』のスタッフ、キャスト
監督・脚本 トム・ホランド
出演 デヴィッド・モース
マーク・リンゼイ・チャップマン
ブロンソン・ピンチョット
『ランゴリアーズ』感想
地味だが飽きさせないストーリー展開
『ランゴリアーズ』は劇場公開用ではなくTV番組として制作された作品で、日本では過去にNHKで二夜にわたり前・後編に分けられて放送されました。前・後編合わせて3時間ほどあるのですが、冒頭からラストまで息もつかせないほどの展開が続いたので私は全く飽きることなく通しで見ることが出来ました♪。
主人公たちが迷い込んだ世界ではパッと見た感じ元居た世界と何ら変わりがないようで、“音が響きづらい”、“時計で記されている時間より周囲の環境の時間の経過が異様に早い”、“飲食物の味がしない”、“マッチや銃がつかいものにならない”などなど様々な異変が起こります…。本作はSF作品なので必ず起こった異変には“SF的な理屈”が隠されています。登場人物たちが異変について推理し打開策を必死で模索する…という展開の繰り返しで、視聴中は「どういう理屈で異常な現象が起こってるんだろう…」と続きが気になって仕方なかったです。
『ランゴリアース』で起こる不思議な現象についての理由付けが科学的にきっちりと考えられているとは思えませんが、複雑に練られた設定は妙に納得がいくものばかりで作品のリアリティを深める効果に大きく貢献していると思います。
TV放送用の作品ということもあり全体的にいかにも低予算な雰囲気が漂っているのですが、この地味さが閉塞感、絶望感、不安が漂うストーリーとマッチしていて良い方向に活かされていたように感じました!
タイムトラベルもののイメージが覆った!
皆さんはタイムトラベル系の作品にどんなイメージを持ってますか?。私の場合は『バックトゥザフューチャー』や『ドラえもん』などのロマン溢れる明るいイメージを持ってます。『ランゴリアーズ』はそんな私のタイムトラベルものに対する“明るいイメージ”をぶっ壊していきました…。
過去に戻れば当たり前のように過去に存在していた人達がいて、過去に渡った人間も元居た時間と同じように生活することが出来る…、これって結構都合がいいですよね。過去や未来が現在と同じように人間にとって“安住の地”である保証はないように思えます(物理学の知識が全くない文系野郎なので断言できませんが…)。
『ランゴリアーズ』に登場する“過去の世界”は“現在の世界”とは違い人間には優しくない果てしなく絶望が広がる世界…、タイムトラベルに抱くイメージがこれまでに見てきた作品にはない“絶望的なイメージ”を抱かざるを得ない内容でとても新鮮に感じられました。
ファンタジーの化け物がSF的な存在に代わる恐怖…。なぜトゥーミーはランゴリアーズに真っ先に食われたのか…
『ランゴリアーズ』のキーパーソンである登場人物クレイグ・トゥーミー。「ランゴリアーズ」という化け物の名前をはじめて口にしたのは彼です。トゥーミーによれば「ランゴリアーズ」は怠け者の悪い子をバリバリと食ってしまう恐ろしく足の速い化け物だそう。トゥーミーは幼少期から父親に「結果を残せない怠け者はランゴリアーズに食われるぞッ!」っと非常に厳しくしつけられエリートの道を強迫観念に追われながら歩んできた人間です。
トゥーミーが語る「ランゴリアーズ」は親が子供を戒める際に使う空想上のモンスター(遅くまで遊んでると“口裂け女”に食べられるよ!的な)に過ぎなかったはずなのですが、本作では「なぜランゴリアーズは怠け者を食ってしまうのか」という点についてしっかりとSF的な理由付けがなされています。ランゴリアーズは過去を食い尽くして“無”にする存在…つまり過去に囚われ未来へ進めないような“怠け者”を食ってしまうモンスター…、だからこそ“父”という過去にいつまでも縛られているトゥーミーは真っ先に貪りつくされてしまったのでしょう…(トゥーミー結構かわいそう)。
“突拍子もない子供だまし”の存在がSF的な理屈で実体化する…、そんな独特の恐怖が『ランゴリアーズ』の魅力の一つではないでしょうか!
『ランゴリアーズ』感想まとめ
個人的に大満足な作品でした!スティーブン・キング原作の映像作品はだいたいハズレなしですね♪(ただしスティーブン・キング制作版『シャイニング』は除く)。本格的なSFホラー作品としては『エイリアン』に並ぶほど好きな作品です!
しかし、低予算ということで肝心のランゴリアーズのCGが「ん?」な出来栄えだったり、TVドラマということでキッチリと放送枠に埋め込むためかあからさまな引き伸ばしシーンがあったりと残念な点もチラホラ有りましたのでぜひとも劇場公開作品としてリメイクして欲しい限りです!
『ランゴリアーズ』はこんな気分の時に見ろッ!
ハヤト隊員
『ランゴリアーズ』はどんな気分の時に見ればよいのでしょうッ!
スペースオペラ的な娯楽大作SF映画に飽きてしまった時がオススメだな!
シネマ隊長
『ランゴリアーズ』を見る上での課題映画
ランゴリアーズと合わせてみると面白いオススメ映画をシネマ隊長に紹介してもらいます!
シネマ隊長
『ランゴリアーズ』はどこの動画配信サービスで見られる?
『ランゴリアーズ』は現時点(2019年2月時点)ではどこの動画配信サービスでも配信されていないです…。私はAmazonでDVDを購入し観賞しました!
※動画配信サービスで配信されている作品は入れ替わりが激しいです。急に見れなくなったり、見れるようになったり…。比較情報.com動画配信サービスなどでご確認ください!